コンサルティングを通じ、社員の能力開発と企業への貢献を重視した、公正で納得性の高い人事制度の構築を支援します。
特に最近は、コロナ禍でテレワークが急速に普及するなかで人事評価のあり方に悩む企業が増えています。同じ職場で顔を合わせて仕事をすることで、上司が部下の行動を観察し評価するモデルが通用しなくなったいま、どのような人事評価をすべきか、また人事制度をどう変更すべきか。人事制度を専門とするコンサルタントがそれぞれの組織の特徴を踏まえて方策を提示します。
また、同一労働同一賃金への対応、再雇用制度・定年延長などの高年齢者雇用のあり方など、人事制度の設計・再構築およびその運用までサポートします。
日本生産性本部の「人事制度構築コンサルティング」
- STEP1現状分析・診断(約2カ月)
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コンサルタントが経営戦略、現状の人事・賃金制度の診断を行います。
- 経営および人事・賃金制度の現状分析
- インタビューによる運用把握
- 従業員満足度調査「Niser(ナイサー) ES」の実施(オプション)
- STEP2基本構想(約2カ月)
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求める人材像を描き、そこに誘導する人事ポリシーと人事・賃金制度の概要をデザインします。
- 求める人材像のイメージづくり
- 人事ポリシーの策定
- 人事・賃金制度の基本構想設計
- STEP3詳細設計(約5カ月)
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基本構想をもとに、以下のような人事諸制度の詳細設計と規定類の作成を行います。
- コース制度
- 職群・職種区分の見直し
- 等級制度
- 賃金制度
- 賃金・総額人件費シミュレーション
- 評価制度
- 目標管理制度
- 各規程額の作成
- STEP4導入フォロー(約3カ月)
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従業員に新制度について説明・説得し、合意形成をはかり、必要があれば微修正します。移行準備をし、運用をスタートします。
人事・賃金制度コンサルティングでは、以下のような改定を実施し、現状の人事システムを刷新します。
実施例
役割業績給の導入 |
- 役割評価要素の設計、評価の実施
- 目標管理・業績評価の設計
- 役割給表の設計
- 管理職年俸制の設計
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評価制度の改革 |
- 人事考課要素・定義・考課表・面接シートの見直し
- 目標面接制度の設計
- 使いやすい評価基準の設計
- コンピテンシーモデルの設計
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等級制度の設計 |
- 職務調査の実施、等級基準の作成
- 等級フレームの作成
- 昇格・昇進基準の作成
- 移行格付基準作成
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職能給体系の強化 |
- 賃金水準、社内賃金格差の分析
- 管理職・一般職の賃金体系の設計
- 職能給表・本人給表、モデル賃金の設計
- ライフステージ別賃金体系の再設計(賃金カーブの修正)
- ポイント式退職金制度の設計
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複線型人事賃金制度の導入 |
- 職群・職種別昇進・昇格体系の設計
- 職種別賃金体系の導入
- 専門職・職群転換基準の設計
- 昇格基準・職群転換基準の設計
- 限定勤務地制の導入
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考課者訓練の企画・実施 |
- 考課者訓練(1日・2日コース)の企画・実施
- 目標設定・フィードバック研修の企画・実施
- 考課者訓練インストラクターの養成
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期間・費用についてはお問い合わせください。
「ジョブ型(職務等級・職務給)」を導入した人事制度改定コンサルティング事例
A社(製造業)では、職場で正社員や契約社員からの無期雇用社員、さらに定年再雇用社員が混在しており、役割や責任が明らかでなく、処遇とのバランスもとれていませんでした。そこで「責任の重要度」と「職務の実行困難度」で職務評価を行い、評価点の幅を参考に職種別に等級グレードを設定しました。
課題 改定内容 |
1. 役割責任と処遇のバランスが崩れている |
- 「責任の重要度」と「職務の実行困難度」で職務評価を行い、等級グレードを設計する。
- 等級グレード・職種別に約30の職務記述書を作成し、等級格付の根拠とする。
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2. 正社員、契約社員からの無期雇用社員、定年再雇用社員が混在している |
- すでに運用されていた雇用形態別の処遇体系の大枠は維持して、雇用形態別に等級グレードを区分する。
- 異動の有無や人事評価による処遇差の可能性を加味して、雇用形態が違って同じ職務評価の等級グレードであれば一定の範囲内で賃金水準を一致させる。
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3. 500人未満の従業員規模のため、配置が固定化しやすい |
- 一部のポジションに社内公募を行うとともに、降職ルールを明確化する。
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同一労働同一賃金に対応する人事制度改定コンサルティング事例
B社(サービス業)では、雇用区分による業務内容と処遇に不均衡が生じていました。同一労働同一賃金の実現に向け、格差の是正とそれに伴う人件費の適正化を図るため、賃金カーブの見直し及び諸手当の統廃合、支給基準と金額の統一を行いました。
課題 改定内容 |
1. 無期社員(いわゆる正社員)
- ①再雇用社員の賃金水準向上に伴う、基本給カーブの見直し
- ②非正規社員との整合性を鑑み、年齢給、職能給を継続するかどうか
- ③非正規社員との整合性を鑑み、家族手当の廃止、見直しを行うかどうか
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- 20歳代社員の基本給を現状より早期に立ち上げ、30歳代の基本給額も引き上げる。40歳代は昇給はほとんどなく、50歳代の基本給は徐々に下降する賃金カーブとする。
- 正社員は長期雇用を前提とするので、年齢給は存続させ、20歳代、30歳代の昇給額を現行より高くする。40歳代は昇給停止とし、50歳代は降給させる。
- 正社員は能力を基準に職能給を存続する。職能給の上限を下げるともに、評価による昇給格差を拡大する。
- 共働き世帯をモデルと想定し、配偶者手当を廃止する。子女教育手当を増額する。
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2. 再雇用社員
- ①定年時と同じ仕事を担当している社員の賃金が、大卒初任給額となっている
- ②昇給、賞与がない
- ③手当がない
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- 定年時と同じ仕事をしている社員は、59歳時点の基本給の70%を基本給額とする。
- 正社員と同じ評価シートを用いて評価する。基本給は洗い替え給とし、評価によって基本給が上下に変動する。
- 正社員と同じ支給月数、成績率を用いた賞与を支給する。
- 役職に留まる社員には役付手当を支給する。生活関連手当は支給しない。
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3. 有期社員(契約社員、パートタイマー)
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- 契約社員、パートタイマーの基本給は職務給とし、正社員より低額の昇給を、評価の良い社員のみ、一定期間(5~10年)実施する。
- 契約社員、パートタイマー用の業務遂行度、ルールの遵守等について、チェックリスト方式の評価シートを用いる。
- 貢献度が限定されているので正社員より少ない賞与支給月数とし、評価の良い社員には賞与を加算する。
- 役付手当は該当しない。生活関連手当は支給しない。
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C社(製造業)では、中長期的にシニア社員の活躍推進が課題となっていました。65歳までの雇用義務化を踏まえ、定年を60歳から65歳へ延長し、仕事と処遇の適正化を図ると共に、組織の新陳代謝と人件費コントロールの観点から、多様な施策を講じました。
課題 改定内容 |
1. 賃金処遇制度設計(60歳超)
- ①賃金水準の引き上げをどの程度とするか
- ②60歳以降の働き方に応じた処遇差をどのように設けるか
- ③現歳雇用制度適用者への対応
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- 定年延長(65歳)を一律に実施(全社員対象)。
- 60歳超の賃金水準を、年収ベースで現役時の6割水準から7割水準へ引き上げ(管理職層は、年収ベースで現役時の5~6割水準から6~7割水準へ引き上げ)。
- 高度専門人材・営業担当人材においては、別途職務を明確化し、上記運用とは別の処遇水準が適用される制度を設計。適用者は現場所属長が推薦し、部門長による審議会にて決定する。
- 再雇用制度が既に適用されている社員は、定年延長制度の適用はしない。ただし、賃金水準は定年延長者と同程度まで引き上げを実施。
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2. 賃金処遇制度設計(60歳以下)
- ①上記60歳超の人件費増加に対して、現役世代の賃金カーブを変更するか
- ②人材活用施策をどのように促進するか
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- 役職定年を導入(課長職55歳、部長職58歳)。役職手当の適用対象外とするが、その他の処遇は変更なし。
- 基本給構成要素(年齢給+職能給)のうち、年齢給の昇給額を抑制(50歳前半で頭打ち、50歳後半で減額を実施する)。
- 基本給構成要素(年齢給+職能給)のうち、職能給の各等級における上位レンジにおける昇給額を抑制。
- グループ関連会社を含めた公募・FA制度を導入。
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3. 退職金制度設計
- ①退職金水準を維持するか、積み上げるか
- ②60歳定年を想定していた社員へのフォローの必要性・具体策をどうするか
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- 60-65歳の勤続に対する退職金加算を実施。ただし、現役時適用の算定式とは異なる。
- 退職事由係数(支給率)の自己都合の場合を、60歳時点は100%とする。
- 60歳時に退職金(一時金)を受け取る前提でライフプランを検討していた社員に対する措置として、低利の融資制度を新設。
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