調査・研究雇用・賃金に関する調査研究・提言

第3回 日本的人事制度の変容に関する調査結果概要

2000年3月10日
公益財団法人 日本生産性本部

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年俸制導入企業は2割強に増加、大企業では3割近くが導入

~裁量労働制の導入率は2割弱、「新裁量労働制」の導入予定・検討は4割に近い~

財団法人 社会経済生産性本部は、99年11月に日本的人事制度の現状と課題を探るため、97年、98年に引き続き上場企業2398社の人事労務担当役員を対象に『第3回・日本的人事制度の変容に関する調査』を実施した(有効回答社数317社、回収率13.2%)。調査結果のポイントは以下の通りである。

調査結果のポイント

  1. (1)年俸制の導入率、2割強に(p.3-4)

    年俸制の導入率は、96年調査以来初めて2割を超えた。また、1000人以上の企業での導入率は28.0%、5000人以上の企業では30.8%となっている。

    しかし、年俸制導入に伴い、より重要となる評価制度について見ると、年俸制度導入企業の44.4%が「改善の必要が多いにある」、また5.6%は「早急に改善の必要がある」と回答しており、合わせると年俸制導入企業の約半数が評価制度に問題ありと考えている。
    具体的な評価の問題点(複数回答)としては、「仕事の質の異なる人達の評価が難しい」(55.6%)、「業績評価の基準があいまい」(37.5%)、「評価者の評価能力に差がある」(27.8%)、「評価者間の評価基準が異なる」(27.8%)などがあげられている。

  2. (2)苦情処理システムは7割近い企業で未整備(p.5)

    苦情処理システムの導入状況は昨年と比べて変化はなく、全体の65.3%の企業に苦情処理システムが入っていない。年俸制導入企業について見れば、やや導入企業が増えているものの、56.9%の企業には苦情処理システムが整備されていない。
    苦情処理システムの機能状況については、年俸制導入企業の過半数は「まずまず機能している」と回答しており、回答社全体に比べて評価は高くなっている。しかしながら、残りの44.8%と4割強の企業が「機能していない」と回答している。

  3. (3)裁量労働制の導入率高まる。また新裁量労働制導入意向は4割近い(p.6-7)

    裁量労働制の導入率は、94年調査時には3.3%であったのが、98年調査で11.4%となり今回の調査では17.7%と普及が進んできている状況が伺われる。年俸制導入企業では、裁量労働制の導入率は34.7%と高くなっており、検討中も含めると4割を超える。
    また、平成12年4月1日から施行される「新裁量労働制」については、現行の裁量労働制導入企業で新裁量労働制を導入したい企業が8.2%、現行の裁量労働制未導入企業で新裁量労働制を導入したい企業が29.0%となっており、合わせると今後新裁量労働制を導入予定・検討の企業は37.2%にのぼる。

  4. (4)4)今後、正社員割合は今後7割強程度へ下がる見通し(p.8-9)

    「長期安定雇用型の正社員」および「高度専門能力をもつ契約社員」、および「パート・派遣など雇用柔軟型社員」の雇用割合の変化を尋ねた。「長期安定雇用型の正社員」は、現在平均で84.7%占めているが今後は74.2%へと割合を下げ、「高度専門能力を持つ契約型社員」は現在1.6%であるのが今後は5.9%、同じく「パート・派遣など雇用柔軟型社員」は13.7%から19.5%へと割合が上がると回答している。
    向こう3年間の人員体制について、正社員の総合職を減らす方針の企業は52.4%と過半数を占め、回答企業の10社に1社は「かなり減らす」と回答している。また、一般職については、さらにその割合が増えており、向こう3年間で一般職を減らす方針の企業は62.1%と6割を超えており、2割近い企業(17.0%)が「かなり減らす」と回答している。
    正社員の採用については、「次第に中途採用を増やす」企業が53.6%と過半数を占めている。これを「終身雇用をできるだけ維持したい」と考える企業(終身雇用維持派)と「終身雇用にはこだわらない」と考える企業(終身雇用柔軟派)とで比較すると、終身雇用柔軟派では「次第に中途採用を増やす」企業が65.0%と6割を超えており、「新卒採用中心」が27.5%となっている。

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